「毎日予約は埋まっているのに、年収が思ったほど増えない」。スタイリストになって数年たつと、こう感じる方は少なくありません。閉店後の練習やSNSの撮影まで続けているのに、明細を見ると去年とほとんど変わらないという声もよく聞きます。
この記事では、美容師の年収相場の調べ方と、年収を左右する5つの要素を整理します。後半では、銀座の美容室ShellBearが公開している在籍スタイリストの売上と給与の計算例を紹介します。転職先を比べるときの目安にしてください。
美容師の年収相場は厚生労働省の統計で確認できる
美容師の年収は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査で職種別に公表されています。年齢や経験年数ごとの賃金も確認できるため、転職を考える前に最新の公表値を一度見ておくと判断の軸になります。
ただし統計の数字は、アシスタントから店長クラスまで幅広い人をまとめた平均です。同じスタイリストでも、お店の単価や給与体系によって収入は大きく変わると言われます。平均と比べるより、自分の年収が何で決まっているかを知るほうが役に立ちます。
美容師の年収を決める5つの要素
1. 客単価:同じ人数でも売上が変わる
カット中心で単価が低いお店では、売上を伸ばすには人数を増やすしかありません。予約を詰め込むほど施術の質を保つのが難しくなり、体力的にも限界が来ます。縮毛矯正や髪質改善など単価の高いメニューがあるかで、売上の上限は大きく変わります。
2. 客数:新規が来る仕組みがあるか
単価が高くても、担当するお客様がいなければ売上はつくれません。新規集客を個人のSNSに任せているお店では、発信が得意な人ほど有利になりやすい傾向があります。会社として集客しているかどうかは、求人票では見落としやすいポイントです。
3. 歩合の仕組み:歩合率より計算方法を見る
歩合率が高く見えても、足切りの基準や指名・フリーの扱いで実際の支給額は変わります。「基本給+歩合」なのか「基本給と歩合の高いほう」なのかでも、計算はまったく別物です。計算例つきの解説は美容師の歩合の仕組みを解説した記事をご覧ください。
4. 休日数:稼働日数と続けやすさのバランス
休日が少ないほど売上は積み上がりますが、疲れがたまると技術や接客に響きます。週休2日か3日か、休み希望が通るかによって、無理なく続けられる年収の水準も変わります。
5. 指名比率:フリーの売上がどう評価されるか
指名が増えるほど収入が安定するのは確かです。一方で、指名とフリーで歩合率を分けているお店もあります。指名客がまだ少ない時期は、フリーの売上の扱いによって手元に残る金額が大きく変わります。
美容師の年収が上がりにくいと感じる典型的なパターン
年収が伸びない原因は、本人の努力不足とは限りません。次のような状況が重なっていないか確認してみてください。
- 単価が低く、予約を詰めても売上の上限が見えている
- 歩合の足切りが高く、届かない月は基本給だけになる
- 新規が少なく、指名が増えるまで担当客がつかない
- 指名の歩合だけが高く、フリー中心の時期は評価されにくい
- 休日を削って売上をつくっており、長く続けられない
いくつか当てはまる場合は、お店の単価や仕組みが原因かもしれません。転職先を見るときは、月給の額面だけでなく、5つの要素をセットで確認するのがおすすめです。
ShellBearの場合:在籍9名の月商と給与の計算例
ShellBearは2015年に創業し、銀座で10年以上営業している美容室です。縮毛矯正や髪質改善を中心としたメニュー構成で、直近3ヶ月の平均単価は13,390円です。給与を判断しやすいよう、在籍スタイリストの売上を求人ページで公開しています。

在籍スタイリスト9名の直近3ヶ月平均月商
直近3ヶ月の平均月間売上(税込)は下表のとおりです。2店舗で勤務する人は合算し、代表は除いています。
| スタイリスト | 平均月間売上(税込) |
|---|---|
| Aさん | 約133万円 |
| Bさん | 約132万円 |
| Cさん | 約128万円 |
| Dさん | 約120万円 |
| Eさん | 約119万円 |
| Fさん | 約117万円 |
| Gさん | 約104万円 |
| Hさん | 約98万円 |
| Iさん | 約78万円(週休3〜4日勤務) |
通常稼働9名中7名が、平均月商100万円を超えています。在籍スタイリストのほぼ全員が月収40万円以上です。
7ヶ月目以降は基本給25万円と歩合給の「高いほう」を支給
7ヶ月目以降は、基本給(月給25万円)と歩合給のうち高いほうを支給します。歩合給は、技術売上が70万円を超えた月に、技術売上全体の40%です。指名・フリーの区別はありません。
| 月の技術売上 | 支給額 | 内訳 |
|---|---|---|
| 60万円 | 25万円 | 70万円未満のため月給25万円 |
| 100万円 | 40万円 | 100万円×40% |
| 120万円 | 48万円 | 120万円×40% |
基本給に40%が上乗せされる仕組みではない点にご注意ください。売上が70万円を超えた月は、歩合給と基本給を比べて高いほうが支給されます。
入社後6ヶ月間は月収40万円を保証
入社後6ヶ月間は、月収40万円を保証しています(完全週休2日の場合)。新しいお店に慣れて担当のお客様が増えるまでの期間も、収入が大きく下がらないようにするための制度です。保証期間の考え方は美容師の保証給について解説した記事で詳しく紹介しています。

単価の高いお店で働くメリットや、求められる技術・カウンセリングについては高単価サロンで働く美容師向けの記事にまとめています。
今の売上だといくらになるか、見学で確認できます
「自分の今の技術売上だと、ShellBearではいくらになるのか」。数字で比べたい方は、見学や相談の場で気軽に聞いてください。見学だけ、LINEで質問だけでも大丈夫です。無理に転職をすすめることはありません。
よくある質問
美容師の年収の平均はどこで調べられますか
厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、職種別の賃金が公表されています。年齢や経験年数ごとの数字も見られるので、最新の公表値を確認するのがおすすめです。
指名が少なくても年収は上げられますか
単価と新規集客の仕組みがあるお店なら、フリーの売上でも収入につなげやすくなります。ShellBearは歩合に指名・フリーの区別がなく、直近1年間の新規来店は5,176名です。
技術売上が70万円に届かない月はどうなりますか
7ヶ月目以降は、基本給として月給25万円を支給します。入社後6ヶ月間は月収40万円保証(完全週休2日の場合)のため、この期間は保証額が支給されます。
休日を増やすと年収はどう変わりますか
稼働日数が減る分、売上は下がりやすくなります。ShellBearでは週休3日も相談でき、その場合の給与条件は面談時に個別に説明しています。週休3〜4日で平均月商約78万円のスタイリストも在籍しています。




